舞子古墳群

 

神戸市垂水区 舞子墓園内にある古墳群。

緩やかに登っていった小高い岡にある。

舞子墓園では[石谷の石窟](いしたにのせっくつ)と記されている。


現在は20〜10基を残すのみとなっているが、

当時は100基を超える数であったといわれる。

6世紀ごろの築造とされており、

横穴式石室を用いた、直径およそ15メートルの円墳群である。


近くに高塚山古墳群があり、

この古墳群から兵庫県では珍しいT字になっている

石室が発見されているが、この舞子古墳群でも確認されている。

ほとんどの古墳が封土を失った形で露出する。


一つ一つの古墳に名称が記されていないため、ここでは仮に

私的ではあるが、撮影順番に一号墳、二号墳などと呼称させていただく。


一号墳。

橋の一番近くにある、広場の中では一番奥にある古墳。

木に囲われていないため、一番古墳とわかりやすい。

石室は崩れているが、石が散乱していないため、形はわかりやすい。

      

崩れている間から、石室の様子もうかがえる。


二号墳。

  

一号墳の横にある。

後ろから見ると盛り土があるようにも見える。

一号墳よりも巨石で構成されている。

崩れ方なのかもしれないが、石室、もしくは羨道が長いのか、

範囲はかなり広く、長い。

  

  

石室は一号墳と違って完全に埋没している。


三号墳。

   

一号墳、二号墳ともに広場の中に存在しており、

目に付きやすいが、一見して見えるのはこの二つの古墳だけで、

三号墳からは少し山の中に入ったところに存在する。

舞子古墳群の看板の後ろにある。

この古墳は他の古墳と少し変わった形態である。

他の古墳が巨石を用いているのに対し、この古墳は小石を積み上げた形となっている。

天井石は失っているものの、壁石は一番保存がよい。


四号墳。

三号墳の左に少し下がったところにある。

天井石、壁石ともに損失しており、

石室の枠がわかるのみとなっている。


五号墳。

 

 

四号墳の左にいったところにある。

広場から石が確認できる場所にある。

 

同じような大きさの石がてんてんとあり、

埋没はしているが、石室を確認することができる。


六号墳(?)

 

巨石が連なっているが、木が生えていて全貌はよくわからない。

斜面にあるため、角度によって見えない部分が多い。


七号墳。

道路に一旦下りて、下ったところにある。

側壁か羨道石を少し残し、天井石か壁石かが露出している。

なおこの側壁か羨道かの石は道路手前にあるが、

溝によって分断された可能性もある。


古墳ではないが巨石。

舞子古墳群の石室の材料と思われる石と同じである。

 

                    神戸へTOP



〜編集後記〜
舞子古墳群は上記したように舞子墓園という
広大な墓地の中にある。
その名前からして舞子駅からバスが出ているはずやと思っていってみたものの
一向に見当たらない。
仕方なく、近くのおばさんに聞いてみると、
舞子墓園へのバスは垂水駅から出ているとのこと。
舞子駅の次が垂水駅になるわけやけど、
舞子からもバスでとってよ〜と悲しくなった・・・
お墓にお参りする風でもない私をおばさんは
怪訝そうにみていたが。

垂水駅に着き、舞子墓園で下車する。
直線距離では歩ける距離であるが、
このあたりは特に傾斜が厳しいところなので、
新聞配達の人がここが一番つらい地域とか、
このあたりの人は自転車に乗れない、
つまりのる練習をするところもなければ
乗る機会もないといったことを聞いていたので、
着実な方法を取った。

舞子墓園で下車したのは私だけであった。
森のような、でも中に車が通れるスペースのちゃんと舗装された道路もあり、
地図なしでは迷うような広さであった。
墓参りシーズンでもないので静かなもんであった。

ところどころにある案内板を見て、石谷と書かれてある所っぽかったので、
そこを目指していくことにした。
でも確証はなかったため、
それらしきところがないかずっときょろきょろしながらすすみ、
道にそれたりとしながらもすすんだ。

通常私は墓地というのに怖いというものはあまり感じない。
でも迷い込んだ先にあった突き当たりの
特別に大きなスペースを設けたような
古いお墓に通じる門らしきものを見たときには異様なものをかんじ、
それ以上は進めなかった。

そうこうしているうちに石谷につき、
予想通りそこが古墳群のあるところであった。
はやる気持ちを抑えてあえて他のところを見たりするのは
私のくせで、石谷から橋を渡してあるちいさな岡に先に行くことにした。
そこはいわゆる外人墓地であり、
神戸には異人館などもあることから外国人が多く住んでいるのは
有名であるが、この辺りにも多くの外国人の方がいたようだ。
外国人墓地は日本の墓石とは違い、
一つ一つの区切りがなく、
丘に順番に並んであった。
心に残ったのは、すべての墓石が海を向いていたことだった。

舞子古墳群を探求して、下へ下へと降りていくうちにしたの道路に出てしまった。
作業用の軽トラックがたまたま通って
お化けでも見るような目で見られた。

それもそのはず、後でわかったのだけれど、
この舞子墓園自体が有名な心霊スポットらしい。
確かに突き当たりの特別な墓地は怖かったが、
ほかは大丈夫やったで、と相方に言うと、
「よう一人で行ったな〜」と感心されてしまった。
市民でない私にはそんな予備知識がなかったせいで
変な先入観なしでいけてよかった。

しかし怖かったなぁ〜。